のら犬1号:PVはすごくいい……。
PV観た上で1話を観ると、作品世界観の奥行きと繋がりがすごく感じられてイイですよね!

のら犬2号:あのPVのおかげで海外が売れましたから。

佐藤卓哉監督(以下:佐藤):へえー、海外で。

のら犬2号:海外の反応が、すごく良かったんです。

佐藤:反応がいいと聞くと素直に嬉しいです。

のら犬2号:あの1本のPVで!

のら犬1号:素直に観ると、すごく伝わるものがあると思うんですよね。で、1話を観て、もう一回PVに立ち返ってくると、またそれはそれで新たな発見があるわけですよ。当然だけど、ちゃんとそこは繋がって作ってるじゃん、みたいな。

佐藤:PVと言えば、製作発表会の時、壇上に上がってPVの感想を訊かれたキャスト陣が、みんな「怖い、怖い」言うんで、「そこまで怖くないんじゃないの?」って思ったんだけど、まあ初見で感想を訊かれれば「怖い」としか言えないか。

のら犬1号:「怖い」っていう意味には、ざわざわする不安感が含まれていて、それで「怖い」って言わせているんじゃないかと。

佐藤:「何か不穏な感じ」って言われるのは、むしろ嬉しいんです。正にそういうムードを出したかったから。だけど「怖い」って言葉は、自分では全然ピンと来なくて。

のら犬1号:俺も含めてだけど、監督の意図はすごく伝わってるのよ。ただそれを「不安感」という言い方で表現できないのかなと。

のら犬2号:まあ、若い子たちには「怖い」っていう表現になるんでしょう。

のら犬1号:ざわざわと引っかかっている部分がすごく気持ちいいけれど、心にも届いちゃうところがあるのをどう処理していいかわからないことが、「怖い」ってなっちゃう。作り手サイドとして、ホラーを作っているつもりは全然ないと思うんだけど……。そういう意味でいうと、すごくテンプレ的な言い方をすると、安濃高志監督(※2)と中村隆太郎監督(※3)的な、その系譜を継いでるんじゃないかと勝手に俺が思っている、佐藤卓哉監督作品の問題点というか難しさなのではないかと……。

佐藤:……そういう監督たちに出会って「そうか、こういうふうに素直に自分を出していいんだ」って目からウロコが落ちて、それがあって今やってるんだから、もう仕方ないんじゃないかと。あと系譜を継いでるつもりは全然ないですよ。恐れ多い。

のら犬1号:いや、そういう人たちの作品のあえて問題点と言わせてもらえれば……分かりやすく一言で説明できる作品になってないわけですよ。

佐藤:なってないかどうか俺には判りませんけど。「これこれこうだから良い」って説明するのは確かに難しいかも知れない。

のら犬1号:だから困るわけですよ。俺的には嬉し困って悶えまくる。仕事で絡まなければ、実に俺的には、いいわけですよ堪能しまくりなわけですよ。

佐藤:……テンション高いですねえ。身悶えてますねえ(笑)

のら犬1号:で、佐藤卓哉監督作品は、そういう人たちに、影響されてフォロワーじゃない形で、自分なりの回答を返しているから、また厄介なんですよ。いい意味で。咀嚼すれば影響されているのが見えるけど、それを意識しないと影響されているのが見えない作り方をしている厄介さが(笑)。

佐藤:そうなんですかね?と言うか、安濃さんの真似とか誰にも出来ませんよ。考え方の影響は大きいですけど。人の真似しないで自分で考えて、自分なりの結論を模索するしかないっていう。

のら犬1号:でも別に「作家」になりたいって思ってないでしょ?

佐藤:ないですね。

のら犬1号:でしょ? だけど作家性って、なりたいから身に付くものじゃないもん。 正にこの『selector』の話と一緒で、願いがなくても資質がある人間……とくにクリエイティブなものって、資質がある人間はしかるべき高みに辿り着いちゃう。

佐藤:はあ。

のら犬1号:わかるでしょ? だから、卓哉監督が安濃さんたちに感化されても、フォロワーになっていないっていうのは……。

佐藤:出来る事なら好きな監督のフォロワーになりたいですよ。けど、真似しようがないタイプの人たちを好きになってしまった、ということですかね。

のら犬1号:で、『selector』はね……それぞれの人間の個性っていうのは、ある物事への資質や才能の差というものも含んでいる、っていう。残酷だけど、この世の一面の真理みたいなものを逃げずに描こうとしているのかなと。

のら犬2号:うん。

のら犬1号:資質の差、というのはマイナスの意味じゃなくてね。それが個性でありもする。『selector』にはすごくいろんなものが入っている。セリフのやり取りなどの描写で間接的に触れていると俺は勝手に感じている。 そんなことは恐らく作り手の誰も最初からは狙っていなかった、結果的に出てきた、その出方がすごく気持ちイイ。だからそれが出てくるまでのツカミとしての1話だと思う。たとえば、タマの声で、きゅんきゅん萌えればいいの? でもアバンのアレは……多分タマ? そう見ると、そうなるとタマって、なんか怖いし……。タマとるう子の会話シーンで、2人を隔てているようなフィルター表現も気になるし、とかね。 隔てている感じとか。そんな言いようのない何かをずっと抱える感じが、モヤモヤスキーにはたまらない!

佐藤:どうなんだろう。当たり前だけど、ユーザーにはハッキリ伝えたいですよ。キャラの気持ちをちゃんと伝えたい。喜怒哀楽に感情移入して、一緒に楽しんで欲しいと思って作ってるわけで。

のら犬1号:いや、だけどそうしたら、PVや第1話の、その段階で作品テイストが丸分かりにしていいのかな? という気分になる。

のら犬2号:カテゴリーの中に入れちゃって、それでもうおしまいですからね。

のら犬1号 そういう意味で言うと、川瀬Pが言っていることなんだけど、卓哉監督も川瀬Pもマリー(岡田磨里)も松倉Pも、みんな、恐らく自分なりにこの作品を振り切ろうと思っていても、みんな振り切れていない…振りきれないバットがぶつかり合って、多分不協和音をたててガツガツガツとなっているんだけれど、結果として妙なことに、想定の斜め上展開になりつつある感じが、すごくイイ!

佐藤:そうなんですか?(笑)。でもねー、それぞれ振り切ってないって事は全然なくて、ブン回してますよ。皆さん好き放題にブン回しておいて、最後にまとめてねって言われても無理!ってくらい、振り切ってると思う。 僕は、最初に企画の概要聞いた時「一対一の対戦」って構図から連想して、常に二者択一を迫られる主人公の葛藤とか、一回の選択の重さとか、シビアな現実の一面を描いたエンターテインメントがいいなと思って。どちらかが正解とは限らないけど、それでもどちらかを選ぶしかないっていう。選択の話。で、川瀬Pも岡田さんも松倉Pも、やりたいなと思った事を途中で引っ込めるワケないですよ。そこが厄介かつ面白いところで。コンフリクトしてる部分もあると思うけど、それを平均的に均さないで、観ててドキドキ・ザワザワする作品になればいいと思ってます。

のら犬1号:1話を観て、茫漠たる不安の、自分の心がざわざわする理由を探しているところがある。なんか自分が感じる違和感っていうのが、みんなその理由を探している。だから、ざわざわしている理由を「これ、ルールが分からないと理解できないよ」とか。みんな1話で、作品そのものはこーゆーものだと、当然分かりたがっていると思うから。

佐藤:ああー。

のら犬1号:おそらく、1話で、何か分からないと、不安になる理由を、「ああ、ここがこうだからだ」「そこがこうだからだ」って、解釈して安心したがっているんじゃないかな?

佐藤:そうかも知れないですね。カテゴリーに収めると何となく安心するし。そういう「安心感があって、観ていて楽しい」って作品もたくさんあるべきだと思うんですけど、少なくとも今回「selector」が目指しているのは、そうじゃないので。

のら犬2号:昨日嫁も観ているんですが、全く前知識なしで観て「面白い」って言ってましたよ。

のら犬1号:肝所を押さえている人が観れば、すごくわかりやすい作品だと思うんだよね。

のら犬2号:次が観たくなるんですよね。必ず、1話を観ていると。

佐藤 そうだったら嬉しいなあ。とにかく続けて観て欲しいから。

のら犬1号:構造的な提示としてすごく巧いなと思ったのが、女の子の間での都市伝説的なものとしての、夢限少女。普通カードゲームって、ユーザーは男性中心じゃん。だけど、「女の子たちに、妙に流行っているカードゲームがあんだよ、知ってる?」っていうのも含めた……それも女の子の中の、さらにごく一部っていうところで、嘘か本当かわからない噂話的な、実際のリアルとフィクションの境界線上のすごく微妙なところを狙ってますよ、と。1話の中で、丁寧に説明している作品なんだけどなぁ。女の子たちのファッションリーダー的な人間もやっているという部分も、その裏には何かあるのかも、という面とか、……それは多分男から見たらわからないところが……これは巧いな、と。

佐藤:1話やPVを観て「どっちに転がるか判らないから、すごいモヤモヤした」っていうリアクションも褒め言葉なんですよ。複雑な要素を孕んでるシリーズだから、一回でカテゴライズ出来るわけがないし。

のら犬1号:だけど俺的には「わかるじゃん!」っていうのを言いたいわけですよ。それは面白いじゃん、っていう意味ね。夢限少女がどうとか、最終的にリバースがどうで、反動がどうくるかってことは全部知らなくてもいいけれど、面白いっていうことがわかればいいので。「何かわからないけれど、次が気になる」っていう気持ちを。

のら犬2号:そうです。

佐藤:1話は、優しい路線なのか、怖い路線なのか、行き着く先が判然としないから続けて観て確認しよう。みたいな、そういう1話にしたかったんです。 それって現実と同じじゃないですか。明日、何が起こるかなんて判らないよ、っていう。

のら犬1号:そうそう。現実だったら「こんないいことがあって、俺の人生幸せだ!」なんて、いくわけないだろ!って。

佐藤:反対に、世の中は最悪ですって言う気もない。いい事と悪い事が混在した世界に生きていて、怖いっちゃ怖いんだけど、同じくらい希望もある。というお話。

のら犬1号:そういうことをわかって作ってるから、しょうがないよ。普遍性がある、現実との地続きなお話を、作っちゃっているから。そういう意味で言うと『selector』の1話って、すごく普遍的などこにでもあるお話で、「女の子たちの間で流行っている、なんかちょっと気になる噂話ってありません? それを気にしてみませんか?」っていう形で観ると、すごくよくハマるんだよね。 ばあちゃんと一緒に住んでいる自分の妹とか、ちょっと気にしてみたらどうっすか、的なさ。普通、娘や息子が不良になりそうになっても「なんか、おかしいな」というところから、余程のことがない限り先に進めない部分で言うと、リアルなんだよね。

佐藤:そうですか。

のら犬1号:そこからどんどんズレていく部分も含めて。そうすると、ますます不安になる。俺をそんなに不安にさせずに、素直にベルトコンベアーに乗せてハッピーエンドのエンターテイメントに連れて行ってくれ、という人間からすると、気になるから切る。切るっていうのは、不安に耐えきれないから降ろしてくれ、っていう。

佐藤:のら犬1号さんはどうなんですか。降りたくならないですか。

のら犬1号:ならない! ならないけど、フィルムからくる「刺さる」部分は、最初のPVの「怖い」ってい部分は、正にそういう、当たり前の現実を描いているからじゃないかなと。とはいえ、1話を観た後の、現実と通底する世界観がヤバいな、と。ヤバいっていうのはいい意味でね。「きちゃってるな」って。

佐藤:「現実に繋がっているっぽくてヤバい」っていう感想は、率直に嬉しいですね。

のら犬1号:あとは監督自身として、1話のコンテを切った段階で曖昧だったものが、PVを作るにあたり、いろいろ埋めていったときに初めて見えてくるものがあって、いい意味でPVから1話の流れが作れたという話もいいと思うんですよ。

佐藤:PVでは一部ノイズ的に実写加工のカットを入れてるんですけど、あちこちで撮ってきた動画を加工して先行カットの中に混ぜ込む過程で、ようやく『selector』が自分の身に馴染んできた実感があって。それまでは、どこか「これ、本当に自分と繋がってるのかな」っていう不安もあったんですけど、PVでようやく繋がった。橋ができた。

のら犬1号:『selector』の中で、具体的な地名って出てきてないよね、セリフとして。「新宿」であるとか、なんとか高校であるとか。

のら犬2号:具体的には出てないですね。

佐藤:出してないですね、今後出すつもりもないです。それは重要じゃないし。

のら犬1号:前も一回聞いたかもしれないけれど、何であんなに何となく寒々しい季節にしたんだっけ。

佐藤:元々は、岡田さんの初稿でいきなり冬だったんですよね。

のら犬2号:設定上?

佐藤:いや、その時点でハッキリした意図はなかったと思う。プロットの段階で、寒々とした風景が合いそうだなとか、皆そのくらい漠然とした認識だったと思う。

のら犬1号:でもエンディングの最後の方の一連を見ると、すごく本編との違いが印象に残るよね。

佐藤:ある時点で「本編中では夏は絶対に描かない」っていう事を改めて考えていて、本編のテーマに繋がるなあって思ったんですよ。 「夏は、一番遠く離れた季節。今は届かない願いの暗喩」と言う。

のら犬1号:エンディングの歌詞も共同でやってたりするじゃないですか。コンセプトを出していたりするんだけど、あれはいつ頃?

佐藤:時期的には、ちょうどさっき言った「夏」のイメージを考えた頃。 歌詞はこちらからキーワードを出して、その後一緒に推敲する、というやり方で。今までは、歌詞の参考になりそうなキーワードを幾つか提案してお任せだったんですけど、作中での「夏」の意味合いって簡単に説明し難いし、どうせなら自分なりの言葉として乗せてみたいなと。

のら犬1号:監督的に、その「夏」というキーワードを思い付いたのっていつ?

佐藤:脚本がクライマックスに突入した頃ですね。

のら犬1号:じゃあ、最初からというよりも、企画を進めていくうちにだんだんキーワードが見えてきた、みたいな。

佐藤:そうそう。

のら犬1号:PVって、1話のコンテを描いてから作ったの?

佐藤:1話の後ですよ。1話からの先行カットが中心ですけど、PVは1話の予告じゃなくて、シリーズ全体が狙ってる空気を出したかったので、3、4話からも先行カットを作って、プラス自分で撮った素材を加工して音に合わせてみて、それを編集スタジオに持ち込んで、荒々しい流れになるように組み立てたんです。穏やかな地味な作品だと思われるのは避けたかったんで。

のら犬1号:そんなことは……

佐藤:いや、ほんとに結構切実に。PV用の音楽も、荒々しいスピード感と妖しさが同居したものを発注して、グレゴリアンチャント風のコーラスで開幕して、いきなりノイジーな4ツ打ちになって、またコーラスに戻って終わる、という。荒々しい音楽に対して、画の方からも打ち返していくような感覚で、楽しかったですね。

のら犬1号:当たり前って言ったら当たり前かもしれないけれど、PVは、作品そのものを象徴しているフィルムになってるよね。それって結果なのか、最初からの目論み通りなのか、っていう部分が気になったりして。

佐藤:目論んではいたけど、結局は「結果的に」なんですよね。当日の朝まで素材を作ってたわけだから。

のら犬1号:じゃあ卓哉監督的に、あの仕上がりっていうのは見えていたわけじゃない?

佐藤:「スピード感がある流れ」っていうのは決めてましたけど、その為の素材が圧倒的に足りなかった。じゃあどうする?って事を色々考えて、撮影さんにノーマルの他に2テイクずつ作って欲しいとお願いして、色を壊したヤツと、色を抜いたヤツ。「えー!?」とか言われながら、画面のクリックポイントがなるべく多く欲しかったので、それと平行で、家でコツコツ素材を加工して、最終的に「あ、はまった」と。そんな感じだったんですよ。あそこですごく達成感があって、もうこれで終わりでもいいや、みたいな(笑)

のら犬2号:ここらへんですよね(PVをチェックしながら)。

佐藤:ええ。東北で撮った枝とか、いろんな物を白と黒の世界に加工してます。

のら犬1号:多分その達成感というのは、PVの段階で自分のやりたい『selector』の中の要素が入ったものが出来たということかな?

佐藤:入っちゃったのかも知れないですねえ。その時点では「出し切ってスッキリした」と思うぐらい(笑)。

のら犬1号:今公式サイトで流れてるPVには、発表会で流れたバージョンもあるんだよね?

のら犬2号:そうです。これは今、公式のヤツ。ここらへんのは(PVの実写カットを見て)監督自らが作ってたんですね。

佐藤:そうです。

のら犬2号:それで、早いリズムができてますよね。

佐藤:とにかく……『selector』の企画に関わってから、PV制作段階で、1年近く経っているわけですよ。イメージだけはあるけど、具体的な画面としてはなかなか提示出来ない一年。これは結構ストレスが溜まるんです(笑)。で、溜まっていたものを、一気にワーッと編集して、「やっとカタチに出来た!」みたいな。あとは、PVで出したニュアンスを咀嚼して、如何に第1話に落とし込むかっていうことが課題でした。

のら犬1号:ああ、そうか。逆に1話の素材を使って、PVを作った結果……ああ、そうか。それであの繋がりが。だから、気になる。気になったら観てくれ、っていう気分が繋がるわけね。

佐藤:PVを観終わった瞬間に、何が始まったのか把握しきれない、けど何か気になるからもう1回観よう、と。そういうPVにしたかった。編集でも、同じ色味が続かないように細かく注文したんですよ。「赤系の画が続いたから次は逆の色味を」とか、切り替えが速くてカラフルな印象になる前に、一瞬モノクロを混ぜてリセットしたり。PVでザラザラした感覚みたいなものは得られたんで、今度は本編でどこまで出せるかっていうことですね。同じ手法を使えるわけないんだけど、本編でぬるくなったとは思われたくないですから。

のら犬1号:納得して肯定した上で言うと、「もっと丸めよう」っていう誘惑はなかったの?もっとマイルドにわかりやすく、っていう誘惑。

佐藤:そりゃ、ありましたよ。でもそれ以上に、こぢんまり纏めたくなかったので。

のら犬1号:まあ十分、届く人には届く形になってるしね。

佐藤:だといいんですけどね。後は、ちょっとこの先、どっちに転ぶかわからないな、っていうところで、第1話は終わりたかったんですよね。

のら犬1号:わかりにくいのが、わかりやすくね(笑)。ああ、でもそうか。PVから1話の繋がり方の部分は、すごく納得いった。

佐藤:流れ的には、1話の絵コンテを描いたけれど、その時点でまだ最終画面でどうなるか見えないわけですよ。そのあとにPVを作って「やっぱり、これだ」っていうのが見えてきたんで。いかにそこからブレさせないで1話に落とし込むか、っていう。

のら犬1号:第1話は、PVといい意味で同じじゃなかったわけですね。なんかこれ、PVとまた違って面白い、良くわからないけれどいいじゃん、って。それを言語化できなかったんだけど、いいもの観たっていうのはわかったから。でも自分で「いいじゃん」と感じたけど、何でそう思ったかがわからなかったけれど、今の話を聞いてすごくわかった。

佐藤:川瀬Pから「こんなものを作りたいんだけど」っていう話を聞いて、そこからPVができるまでほぼ一年。それまでに自分の中で「こうじゃないか、ああじゃないか」と考えたものを、PVに叩き込んだので、結構達成感がありました。

(以下、次号! あるのか?!)
(※1)

何の因果か今回のインタビュー企画に召集された、アニメ周りの仕事ならなんでもやるフリーの一匹オオカミ犬プロデューサー。どうやら佐藤卓哉監督とはけっこう前から知り合いでらしい。好きなキャラはひっとうぇー。理由は己の鬱で引きこもったトラウマを刺激するかららしい。

1号を師匠とあおぐメーカー所属の宣伝マン。かつて1号の乗るバイクのサイドバイクに乗り、まさしくサイドキックとして業界を横断する宣伝マンになることを夢みていたが、師匠がバイクに乗らなくなったので、その夢はついえた。佐藤監督作品では「苺ましまろ」の宣伝を担当したことがある。好きなキャラはタマ。

(※2)

安濃高志監督:代表作は、TVアニメ『魔法のスター マジカルエミ』、OVA『蝉時雨』、OVA『ヨコハマ買い出し紀行』

(※3)

中村隆太郎監督:代表作は、劇場アニメ『グスコーブドリの伝記』、TVアニメ『serial experiments lain』、TVアニメ『キノの旅』